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         荒川土手(堤防) 2022.05

川面を渡るさわやかな風と
岸辺によせるさざ波に、小さな迷いは飛んでゆく





 


 総武線の亀戸から歩いたにしても一寸時間がかかりすぎるので、JR錦糸町駅から地下鉄半蔵門線でひと駅、スカイツリー駅で京成押上線へ、これも2駅、八広(やひろ)駅で下車。家からここまで約1時間半。

 


 八広駅から住宅街の細い路を東に進むとすぐに堤防が見え、それを上り、車道を越えてもう一段上ると、(だから、堤防全体の高さは5メートル以上ありそうだ)目の前に荒川の景色が広がる。堤防の一番上は舗装された歩道が走り、土手下の河川敷にも整備された遊歩道・自転車道が伸びる。

 


 余談だけど、「土手(どて)」でも「堤防」でも「堤(つつみ)」でも良いけれど、学生の頃、広島出身の同級生が寮で作ってくれて、みんなで突っつきながら宴会をやった、あのカキなべはやっぱり「牡蠣の土手鍋(あるいは『土手焼き』)」だし、言葉の響きとしては、土や枯草の匂いや肌触り、そして草が伸びる夏にはむせ返るような雑草の息吹きを思い起こさせるのは「土手」であって、「コンクリートタイルを張った堤防」からはあまり自然が感じられない。(個人的な感覚)。もっとも、水害を防いでくれるのはコンクリートの頑丈な「堤防」だけど……。

 

 ここの土手は草刈りが終わったばかりで、枯れた草が土手の法面(のりめん=斜面)を覆っている。

 河川敷に下りる階段は用意されているが、乾燥した「刈り草」の斜面を降りてゆくと「ああ、この感じ!」と、田舎にいる頃に、畑や草原を歩いた時の感触を思い出す。

 今やっている健康散歩の時も、公園などで立ち入り禁止の芝生の場合は入れないが、牧草や雑草が生えているところは、どんどん入って歩く。

 自然を足と鼻と眼で感じられ、踏みしめる地面の凹凸が足の裏を刺激した、不規則な地面の傾きが体のバランス感覚を取り戻させてくれる。

 

 

 河原におりると「八広水辺公園」の立札。

区民のみなさんが造ったきれいな公園が広がり、花壇の向こうの樹々の下にはベンチもある。

下流に向かって進むと、葦の原が続く。遊歩道は広く、自転車の人が追い抜いて行く。

河原だから特別な建物や構造物があるわけでなく、進行方向の下流に向かって、見える限り歩道が伸びて居る。

 

いやいや、野球のグラウンドが見えてきた。1面ではなく、どんどん続き、6,7面……。いや、その先にもまだある。

 

 

対岸に目をやると、橋を吊り下げるためにケーブルを何本も斜めに張った巨大な支柱が2本、天を衝いている。
 白く輝くケーブルで富士山を描いたような優美な姿だ。


これは「かつしかハープ橋」。

綾瀬川と中川の合流地点に架る首都高速中央環状線の橋で、橋長455m(最大支間長220m)のゆるやかにカーブする斜張橋。横浜ベイブリッジ、名港中央大橋なども手掛ける橋梁デザイナー・大野美代子のデザインによる世界初の曲線斜張橋(土木学会田中賞)とのこと。

 

今日の散歩は、歩いても、歩いても終点は無い。

景色の変化も、河川敷では野球グラウンドがつぎつぎと姿を現し、遠景では「ハープ橋」の姿がどんどん大きくなって行く。

 だから、ハープ橋の写真は、「超遠景」「遠景」「やや遠景」「近景前の遠景」

という具合に、同じ姿がだんだん近づいた絵になるだけだ。

しかも、毎回少しズームを効かせているから、違うのは目の前の(超近景の)草や木の枝ぐらい。

 

 

そのうち、土手から突き出すように建つ四角いものが見えて来た。

おそらく、この前歩いた「旧中川」の水門だろう。

 枯草を踏みしめながら、堤の斜面を登り、堤防上の歩道を水門方向へ歩いていると、川と反対側の、右下の平地に小さな森が見える。

 (この辺りからは、歩道の舗装や、右下に見える車道の「硬さ」などから「堤防」が適している。これも私の勝手な感覚。)






鳥居があり、扁額も掲がっているけれど、文字までは読めない。

 手元の地図によると「白髭神社」のようだ。まあ、先まで行って、帰りに立ち寄るか……。






 

 住宅街の屋根の向こうには、いつものようにスカイツリーもちらりと見える。

 そういえば、区の説明によると、晴れて条件が良い時には富士山が見えることもあるそうだが、今日は春霞で、とても富士山までは見えない。

 

 

 で、遠くに見えた四角い建物も、ちゃんとその構造を見せてくれるようになる。

 矢張り先日歩いた「旧中川」からの水を荒川に放出するための水門だ。




 実は、今日の散歩には特に目的地というものがないので、この水門辺りを折り返し点にしようと思っていた。
 なぜかと言うと、先日の散歩で、旧中川は陸に閉じ込められた「三日月湖」(姿は数字の3に似ているが)みたいなもので、その両端には取水地と排水地があることがわかっていたから。

 

 とにかく、今日の終点に着いたので少し安心し、周りと「大橋」の写真を撮る。

 折り返すために、水門の少し先にある横断歩道で車道を渡り、住宅地側を歩く。さっきの水門の丁度内側に「木下川排水機場」がある。

 もうすこし川上方向に戻り、住宅街の路地を抜けると、あの「旧中川」に出る。

 「ゆりのき橋」の手前で川辺に降り、川上に進む。













 




 この前と同様にアオサギが散歩しているのに出会う。

 先日もハゼ釣りの人たちがいたぐらいで、この川には、浅瀬に小魚がいて、鳥たちにとっても住みよい環境なのだろう。




 

 ゆりのき橋の下にボートが沢山保管されている。

 「東墨田レガッタ」のイベントの垂れ幕がその所有者を教えてくれている。

 金網の隙間にカメラのレンズを差し込んで数枚撮る。





 

散歩は丁度中間地点を過ぎたところなので、東墨田一丁目・二丁目の「中川桜愛護会」のみなさんが丹精込めて手入れをしている花壇の脇のベンチで食事にする。

 

 

目の前の川面では小さな魚の群れが渦を巻き、水中でその腹が光を受けて時折銀色にきらめく。

 ここは河川敷が狭く、細い遊歩道なので、さすがに自転車の人は少ないが、散歩の人、シルバーカーを押す高齢の人などが通り過ぎて行く。

 たまたま通りかかった高齢の人が、ベンチの端に腰を下ろし一服する。

 90才になるとのことで、私と同じく「健康散歩」だそうだ。

 

 対岸の川辺にはベンチと東屋も見えている。桜並木は新緑に輝き川上に向かって続いている。

 もっと先まで行くつもりだったが、体も少々疲れたし(ここまでの散歩だけで1万歩を超えている)、時間もたっぷりとは残っていないので、駅に向かう。





 さきほどのアオサギの橋まで戻り、名前もそのままの「ゆりのき橋通り」を一直線に八広駅へ向かう。 









 

途中に「東墨田二丁目公園」があり、また「吾嬬西公園」もある。

 どちらにも遊具や藤棚が整備されていて、住民のみなさんが気軽に立ち寄れそうな公園だ。

今日の私は、歩道から眺めて通りすぎる。







 京成線の線路が見えてきて、やっと一息つく。


その後、浅草で地下鉄に乗り、上野からJRで午後の打ち合わせへ。




 

今日の歩数  17,400








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