肥後熊本藩の細川家の屋敷跡に造られた
親しみを感じさせる回遊式泉水庭園

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もっとも、梅雨入りや梅雨明けは、後日「実は……」と日付の変更をされるのもよくあることで、自然というものはそれだけ判断や推測が難しいということだろう。 で、今日は先週に続いて江戸川方面の散歩にする。 もし雨が降っても雨宿りできる屋根が近くにあるのと、予定を切り上げたり後ろに延ばしても、打ち合わせに合わせやすいから。
中に「ギンブナ」というのもある。ギンブナは昔から日本にいる在来種(通常「フナ」という)で、子供の頃は近くの池や川で普通に釣れたり取れたりしていた。 ブラックバスが繁殖して、小魚は殆ど食べられてしまい、ヘラブナ(ゲンゴロウブナ)や鯉の成魚は見かけるけれど、数は少ない。おそらく稚魚の頃にブラックバスに食べられて、食われないほど大きく成長できるのは限られているのだろう。 ![]() このパネルの立つ大滝橋、椿山荘、芭蕉庵を通り過ぎ、 次の橋の右手に水神社を見て1分も行くと「肥後細川庭園」の南門がある。 門をくぐると右手に「小池」、左手に「中池」がある。
アヤメとショウブは似ているけれど、異なった種類だそうだ。
石段の最後には、右手に小さな祠があるのでお参りする。賽銭箱は無いので、心ばかりのお賽銭を祠の前に供える。他の参拝者もそうしたようで、コインがいくつか並んでいる。
白亜の文庫では、今は江戸時代の臨済宗の僧、仙香i仙義梵せんがいぎぼん)の禅画を特別展示中のようだ。この永青文庫に400点以上所蔵されているそうだ。
そういえば、偶々数日前に読んだ百田尚樹さんの「海賊とよばれた男」に仙高フ名前があったのを思い出す。 この小説は出光興産の創業者出光佐三(さぞう)をモデルにしたもので、波乱万丈の生涯を描いている。 伝記ではなく小説だけど、ネットで調べると東京の出光美術館には1000点を超える仙高フ書画が所蔵されているそうだ。
中に入ってゆっくり鑑賞したいが「健康散歩」の途中なので「ゆっくり」とはして居られない。文庫の前庭を一周して、「庭園」の散歩に戻る。
今度は下方の池の光を見ながら、樹間の緩い下りの小径をたどり、休憩用に造られたテーブルやベンチのある平坦な台地に着く。 すぐ左には石造りの「十三重の塔」が「大池」含む庭園を見おろしている。 (「十三重の塔」にはいろいろな意味や解釈があるようなので、知識のない私はヘタな説明も引用もしないから、気になったらネットで検索してみてください。)
休憩所の間を平地に下りると、大池が広がり、岸辺には色とりどりの肥後花菖蒲が咲き乱れている。
今日は「別案」として「堀切菖蒲園」もあったけれど、ここで十分堪能できる。
最初は池に向かって出っ張った出島(?)から、その奥にある小さな滝を楽しむ。 この庭園は、池泉回遊式庭園というそうで、水や岩や樹々などの自然の営みを庭園ひとつの中に表現しようとしたものだから、目の前にあるのは小さな滝や船着石だけど「よく頑張っているね。ありがとう」という気がしてくる。造り、手入れをする庭師たちの苦労も偲ばれる。
とりあえず、大池を左回りに周回する。 手入れの行き届いた芝生を踏まないように、飛び石や踏板を伝いながら礼拝石から池を眺める。
視線の先、正面には中島とさっきの十三重の塔、右手には雪見灯籠の岬が望める。
足元の菖蒲は、赤、紫、紺、白に輝き、近くでは婚礼衣装の新郎新婦の撮影も熱がこもっている。 後で松聲閣にお邪魔した時聞くと、 礼拝石の隣の「洲浜」からの眺めも素晴らしい。
中門(正門から庭園への門)から一旦正門広場に出て歩き廻り、正門と松聲閣の写真を撮る。
正門広場にも大木が聳え、この庭園の歴史を彷彿とさせる。
広場の隅に大きな平らな石があり、その面に小さな穴がいくつかあいている。雨水でこんな規則正しい穴が開くわけもないので、鏨(たがね)を打ち込んだ石切りか石割の途中の穴の跡かとも思うけれど、確かなことはわからない。
で、松聲閣の前をうろうろしていると、さっきの「前撮り」の話の方が
お言葉に甘えて入館し二階に上がると、なるほど、池と庭園全体が見渡せる。
窓の下の庭には何か日本風な仕掛けや灯籠も見える。
この松聲閣(しょうせいかく)は、江戸時代には旧熊本藩細川家下屋敷(殿様や奥方の住む本邸ではなく、別荘として使ったり、国元からの荷揚げのために水辺に造った蔵屋敷=ネット情報から)のあったこの地で、明治の頃に細川家の学問所として使用されていたそうだ。
今は有料(と言っても、1部屋20人程度収容、3,4時間で700円から1,000円)の集会所として使わせて頂ける。しかも、音響セット、液晶プロジェクター、茶道具一式なども数百円で使用可能らしい。(本当に使いたい時は、詳細を事務局に確認のこと)
誰でも使えて、集会の後は見事な日本庭園を散策できるのだから、ありがたい話だ。
2階の展望所「山茶花」の床の間には産地不詳だが、なにか謂れのありそうな銘石(?)「細川家の石」や熊本県山鹿市から寄贈された、和紙と糊だけで作られたという金色に輝く「山鹿(やまが)灯籠」も展示されている。
石の方は「産地など分かる方はご連絡ください」となっていて(変に勿体ぶらないで素直なのが好感を持てる!)、燈籠の方は室町時代から伝わる技術で、その技術は伝統工芸品に指定されているそうだし、熊本では毎年「山鹿灯籠まつり」が盛大に開催されているそうだ。
お礼を言って松聲閣を後にして中門を入り、再び池の畔の小径を歩く。
すぐ右手には大きな石灯籠が直立し、その先にはさっき対岸の礼拝石の辺りから見た雪見灯籠が見事な枝振りの松の傍らにどっしりと腰を据えている。
何気なく通り過ぎたが、後で英語のパンフレットを見ると、この雪見灯篭の説明が「three-legged stone lantern」となっている。三本足の灯籠と言うことで、写真で確認すると確かに三本脚だ。頭から4脚だと思っていた自分の、風景を眺める目がどれだけいい加減かを知った。 小径の反対側は築山になっていて、その上からは庭園が見渡せる。
すぐ下の「亀石」は、手前から見ると亀の頭が池に向かって突き出しているように見える。(反対側からは2つの岩が見えるだけだけど……)
土橋を渡り、十三重の塔を過ぎて「ランチスポット」に予定していた休憩所に着く。
広い台地にお休み用のベンチやテーブルが設置されていて、ここからの庭園の眺めもなかなかのものだ。 斜め下には西門広場が広がり、散策の人の姿が横切って行く。 源水口の辺りは工事中で立ち入り出来ない。 それがパンフレットにある「霊報(峰?)石」かどうかは分からない。 西門方向へ下りて、広場を横切り、さっきの休憩所のすぐ下にある滝を撮る
小さいながらも滝壺があり、飛沫も上がっている。
滝から池に注ぐ小川(パンフレットには「やりみず」と書いてある)に沿って歩くと、先ほどは見落とした、というか、小道から池方向の脇道に入ったので通り過ぎたけれど、芝生の中から時折「カーン」という長閑な音を響かせていたものの正体「鹿(しし)おどし」に立ち寄る。 しばらく待つと、竹筒に水が満ち、それが「お辞儀」をしてもとに「直れ!」をすると石に当たって、あののどかで澄んだ「カーン」を響かせてくれる。
でも、写真を撮るタイミングが難しい。 竹筒が「お辞儀」した瞬間が良いのか、それとも「直れ!」で、澄んだ音を響かせた時の方が良いのか。 動画であれば音を含めて一動作全体を録画すれば良いけれど、写真ではそうは行かない。 そんなことをやっているうちに、さっき松聲閣の二階からみた「なにか工作物」を思い出し、すぐそばの松聲閣の中庭に入ってみる。
大きめの手水鉢の横に枯れた竹筒が一本立っている。 「水琴窟(すいきんくつ」だ。このおにぎりランチ散歩の中では、前に「泉岳寺」で見たかな。
地中に埋めた甕の中の水面に地上からポタリ、ポタリと落ちる水滴が奏でる微かな響きを楽しむ仕掛けだ。
試してみたけれど、すぐそこの芝生の芝刈り機の音がおおきくて、そんな情緒のあるかすかな音を楽しむことは出来なかった。 しかしながら、「鹿おどし」にしても「水琴窟」にしても、昔の人たちは、歯車も、電気も、マイクロチップも使わないで、「手製の仕掛け」だけで24時間切れ目のない動きを使って、自然と交流していたのだと思うと、ホント、脱帽!
今日の歩数 14,900歩
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