今日の天気予報は晴れ。気温は昨日よりやや高めで、12時頃は15℃。散歩日和だ。 午後の打ち合わせ場所まで40分の、小石川植物園(正式名称は、東京大学大学院理学系研究科 附属植物園)に行くことにする。7月に行ったが、コロナのせいで休園中だったところだ。 ウーン、時代小説の読者から言えば「江時代の薬草園」だったのかな、と思うけど。
10時前に家を出て、11時頃水道橋で下車。神田川の写真を数枚撮る。
だから、私も1回の散歩でおそらく150枚以上は撮っている。
私は本職のカメラマンでは無いから「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」方式で、撮っておいて、そのうちの20枚ほどをこのHPに使っている。もちろん(たまたま)綺麗な絵もあれば、文の説明用のシンプルなものもある。 そういえば、私が中学生から高校の頃は、自宅で写真をプリントするのが流行っていて、兄が、モノクロ写真の印刷セットを購入していた。 物置棟の二階の小部屋に暗室を作り、山の写真などを(兄の趣味は登山)プリントしていた。 フィルムの現像は店でやってもらって、家ではプリントするだけだが、暗室の中で、赤色の電球を点けて、酸っぱい匂いの薬品を溶かしたパレットの中で、白い印画紙にゆっくりと黒く絵が浮き出てくるのを待つのは楽しかった。 見よう見真似で、私も運動会などの写真をプリントしたものだった。 だから、なんとなくフィルムカメラが捨てられなくて、1台は今も電池を入れれば動く状態にしてある。 カメラがこんな様子なら、オーディオも大きく変わった。ずっと昔のことは知らないけれど、金属針の借り物の蓄音機で回転する、SP版レコードから浪曲が流れていたり、小学校の遊戯の練習では、先生がハンドルを手で回してゼンマイを巻きあげる蓄音機から曲が流れていた。(ゼンマイが緩んでくると、音がぼやけて「オーオーーー」となり、慌ててゼンマイを巻き直していた)
運動会での音楽や声は、校庭の端に設置した拡声器から流れた。
(「拡声器」とはもちろん「スピーカー」のこと。)
そう言えば、昔は電子計算機と呼ばれた機械も、今はコンピュータ、パソコンあるいはスーパーコンピュータというのが普通になった。 学校で「パソコンで計算してください」と言うと、生徒が「パソコンで計算できるんですか?」と驚いたという笑い話もある。 もともと「パソコン=電子計算機」なんだから、計算が出来て当たり前だけど……。(まあ、今はそんな会話も無いでしょうけど) その後、家で電蓄(デンチク)(電気蓄音機=LP用のレコードプレイヤー)を買ったのは、私が中学生の頃だったか。
テープレコーダーやラジカセも流行し、その後、数十年経って、CDが発明され、SPどころかLPのレコードでさえ隅に追いやられ、歌手の息遣いまで再生できるオーディオ音源として普及した。 今は、それも古くなって、スマホに曲をダウンロードしたり、ネットで曲をそのまま聞く人もあり、若い世代ではそれが普通になっている。 しかし、一方で、フィルムカメラの画質も再認識されたり、LPレコードの音の深みを楽しむ人も増えているらしい。 こうして書いていると昔の話が多くなるけれど、このHPには写真も入れたいし、「問わず語り」に、自分の子供や孫たちに、ひと昔前の様子を伝えることも目的のひとつだから、それでいいと思います。(訪問者の皆さんご理解を。) それにしても、戦争の経験が無く、自分の体験として悲しい話を伝えなくて済むのは、本当に有難いことだとも思う。
水道橋で降りて、橋のお茶の水側の歩道に行き、1枚写真(これもそのうち「写真」ではなく「フォト」になるのかな)を撮る。 橋に「水道橋の名は、江戸名所図会によれば、この橋の少し下流にかけ樋があったことによります」と、橋の名の由来が書いてある。今の橋の少しお茶の水寄り(東)に神田上水の水路橋(水を運ぶための木の水道管=樋を通した橋)があったということらしい。
そのまま白山通りを北に進む。 どこかこの辺りに講道館があるはず、と思ったが見当たらない。
今年7月に来て、この植物園に行ったらコロナのため休園で、東洋大、白山神社、八百屋お七の墓地などをふらついて最終的に地下鉄で巣鴨のとげぬき地蔵まで行ったから、ここの駅周辺は分かっているので、今日は一直線に植物園へ行く。
受付の机にギンナンの小袋が置いてあり「障がい者の方が作ったものです。ご自由におひとり1袋どうぞ」と書いてある。 受付の女性 「どうぞ」 私 「暮れから正月に役にたちます」 受付の女性 「茶碗蒸しにいいですよ」 私 「そうそう、ユリ根とギンナンがあると 茶碗蒸しが引き立ちますね」 受付の女性 「ふふふっ、いいですよね。どうぞ!」 私 「ありがとうございます!」 ということで、秋の味覚のギンナンを一袋ゲットして、植物園の中へ。 あまり、受付の「おねえさん」と「オジサン」の会話にふさわしくなかったかも……。
そう、ここは理学系研究科附属植物園の研究施設を一般公開しているので、そもそもは全ての植物が研究材料なのだ。(行く前に、持参のおにぎりを食べることができることは、確認してある)
時代小説を読むと、幕府の隠密(おんみつ=スパイ)が薩摩藩の庭の蘇鉄の根元に、探索に来た証拠の何やらを埋めた、とかいう話がよくあるが、その時代から200年ほど過ぎた1896年に、日本の研究成果として、裸子植物の蘇鉄に精子があることが発見される糸口となり、立役者になったということ。
ソテツが雌雄異株かどうかは知らない。
また、地図によると、ここにはイチョウの話もあるらしい。(後で、そこに行く)
また、どんどん進む。
とにかく広いから、思いっきり歩かないと、とても全部は見られない。
受付でもらった案内地図でみると、ざっくりで幅300m、奥行き800mほどが、樹木で覆われている。その木の一本一本に名札がつけてある。 うーん、あの木にあの名札を付けた人は、きっとワンパクだった少年時代を思い出しながら「付けたぞーッ!」と木の上で叫んだのではないかと思いながら、眺める。 私が子供の頃、ハエ叩きにしたシュロ(棕櫚)にしても外来のものなどいろいろ何種類もあり、名札をぶら下げて生い茂っている。
子供の頃、小学校や中学校の日当たりの良い小さな庭の二宮金次郎の銅像の隣に設置されていて、中に寒暖計(いまは温度計というのか)が入っていた。
当時、箱の外には、風向計や雨量計もあったかな。
その近くの区割りには、地図に記された木がいくつかある。
ニュートンが「万有引力の法則」を発見した時の生家のりんごの木を接ぎ木で増やされたものを頂いたもの。
1964年に頂き、ウイルスを除く処置などをして1981年に「植え出された」もの、とある。
それだけの時間と処置をしなければ、外来の植物は安心して日本の土地に植えることができない、ということか。 私もボランティアで外国の野菜の種を輸入する手伝いをしたことがあるが、植物の検疫は厳しく、雑草の種が混じっているということで、本国に返送されたことがある。
そのようにして、日本の植生や土壌が守られているということ。 (また、話が逸れて行く……。他でも書いたかも知れない。) それが悪いというわけではなく、釣ったら持ち帰って食べて欲しい。外来種が、もともと日本にいた魚(在来種)を駆逐するのを防ぐ必要がある。 今、どこかの淡水でフナやタナゴが掛かることは殆ど無い。(コイはなんとか大きくなると、バスには食べられないが、稚魚は食べられてしまう) ブラックバスに限らず、ザリガニや、海のホンビノス貝なども、「料理するとこんなにおいしい食材です」とアピールするのが必要。(ホンビノスはハマグリより安く、アサリより高いけれどスーパーでも売られ、評判も上がるようになった) 外来種だけでなく、森が開拓され住家がなくなって、でも数はどんどん増えている猪や鹿もそうだ。 外国では「ジビエ(野生の生き物肉)」として昔から食べられていたものが、日本では食物連鎖の「ずれ」からどんどん農家を脅かせている。 小鹿のバンビはかわいいし、ウリンコ(猪の子供)も可愛いけれど、人の生活を圧迫するようになると害獣でしかない。(まあ、人間のエゴといわれるかも知れないけれど、獣も人間も、お互いに生きるのは大変なのです) また、話がどんどん横道に逸れてしまった!
優性遺伝だの、隔世遺伝だの。 ![]()
春の開花期には、弁当持参の来園者が多いことだろう。
近くの山にも普通にあるものもあるし、めったに見られないものも沢山ある。
でも、ここでも(新宿御苑でもなかった)、網目のモミジは見つからなかった。
菩提樹の林から、
1896年に精子が発見された樹だそうだ。ソテツとともに今世紀(20世紀)最大の植物学の発見のひとつという。
街路樹の多くは雌雄は植えてない。きっと、ギンナンが落ちて、つぶれると、油分が多いので、歩行者が滑ったり、車がブレーキが効かなくて事故になるといけないのと、匂いが強いので、実が成らないようにしてあるのだと思う。(これは私の推測)
神社の境内や広い公園でギンナンを拾うのは楽しいものだけど。 (実は拾った後、きれいなギンナンの実にする方法を知らない。だから、今日、入り口で頂いた、障がい者の方の作ったギンナン1袋は有難い!) まだ直進でも先があるけれど、時間が過ぎて行くので、左の小路の坂を下り、日本庭園へ向かう。
徳川綱吉が幼少時に住んでいた白山御殿と蜷川能登守の屋敷跡とに残された庭園だそうだ。
私もベンチの一つに座り、おにぎりを取り出す。今日は、昨夜の夕食と、今日の朝食の残りを小さなタッパーに詰めてきたので、おかずが豪華?だ。 マフラーで巻いて保温してきたおにぎりはまだ温かい。おにぎりを取り出したので、マフラーは首に巻く。通勤バッグがすっきりと痩せた。今日は雲のまったくない快晴だ。空気は冷たいが、風が無いので、日の光がそのまま体を暖めてくれる。
前に両国の旧安田庭園で見たと同種のアオサギだろうか。
これはカメラを縦にしないと、枠に収まらない。
また急ぎで白山駅に向かう。
園内は(とろとろ・・・)と、帰りは(競歩並み)に歩いた。
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