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向島百花園

            少し浅草 2022.04

花・草木だけでなく、俳句も満開





 

 今日は散歩の目的地が思いつかないので、花の季節には少し早いが、向島百花園を歩くことにする。

 JR総武線の亀戸駅で降り、東武に乗り換えて行く。

 庭園まで歩いて8分の東向島駅もあるけれど、距離が近くて「健康散歩」には歩数が足りなくなると思い(また乗り換えもあり)、徒歩13分の曳舟駅から歩くことにする。

 曳舟駅で電車から降り、階段を曲がりながら下りて改札を出た時には、自分がどこにいるか分からなくなっていた。(「見当識障害」といって、「ここはどこ?」「私はだれ?」という状態……)





 駅の出口に地図があったので、自分の位置と、庭園への道を確認。

 駅沿いの、のどかな通りを歩き、左折して水戸街道に出て、やっと庭園への道筋が見えて、ほっとする。

 明治通りにぶつかって、交差点で「←向島百花園」の案内板を見て左折し、





 少し進むと再び庭園の案内板があり、左折して、塀の内側に竹藪や木立が見える「それらしい」路地を進むと、カラフルな遊具のある児童遊園の向こうに庭園の入り口がある。

 入口に東京市の碑があるので1枚撮る。
 いつも帰る時には時間に追われて、写真を撮るのを忘れるから、先に撮っておく。

 


 

 窓口で入園券を購入。

 一般は150円、区内の中学生以下と身障者の方などは無料、65歳以上は70円。

 




 園内に入るとすぐ左手に芭蕉の句碑。「春もやや けしきととのう 月と梅」  

 パンフレットによると、園内には30近くの句碑・石柱があるそうなので、みんなが知っている人の、主なものの写真だけ載せることにする。

 

 これもパンフレットによると、この庭園は文化・文政の頃(18041830)、骨董商を営んでいた佐原(北野)鞠塢(きくう)が、交友のあった文人墨客の協力を得て、花の咲く草木鑑賞を中心とした花園を開園したのだそうだ。

  芭蕉の句碑の先に庭門があり、その扁額には太田蜀山人の揮毫で「花不断」、

 左右の門柱には詩人・大窪詩仏の「春夏秋冬花不断」「東西南北客争来」の聯(木版)がかかっている。おそらく、季節を問わず様々な花が咲き、各地からの客が争って鑑賞に来るほどだ、というような意味だろう(私の勝手な解釈)。


 

 庭門をくぐって進むと、中央に広場があり、日傘を立ててその下に赤い毛氈の長椅子がある。 これは園内の売店で買った人が、そこで飲み物やお菓子を食べる席。

 広場の左手にその土産物屋さんがある。





 

 他に四阿や藤棚、園内通路沿いのベンチ、など休憩所は設けられているので、休む場所に困ることはない。

 見学(鑑賞)コースというものは特にないので、とりあえず時計の針の方向(右回り)に外周を回ることにする。



 

 緑に囲まれて、福禄寿尊堂が静かな佇まいを見せている先には、「御成座敷」がある。
 これは、もとは身分の高い武家や僧侶の休憩場所として作られたとのことで、今は有料の集会施設になっている。
 施設と言っても、庭園に相応しく年を経た木造の数寄屋造りの建物で、塀の内側にも別の庭があり、茶会や同期会を催したりするのに適していそうだ。



 と、思ったら、建物の前の小庭に茶筅(ちゃせん)塚があり、柘植黙翁の句が刻まれている。

「お(織)りたらん 草の錦や 花やしき(=百花園)」(1892年)

 


 その隣には、芭蕉のこんにゃくの句碑もある。

 「こんにゃくの さしみも些(すこ)し うめの花」

(こういうウイットに富んだ句は、見ただけで楽しくなる)



 

 また、道路を挟んだ向かい側の草むらの中には、山上憶良の秋の七草の歌碑。

「秋の野に 咲きたる花を 指折り かき数うれば七種(ななくさ)の花

 萩の花  乎花(おばな)葛花(くずばな) 嬰麦(なでしこ)の花 また藤袴 朝顔の花」

 

 

その先には池があり、橋の上からスカイツリーが見える。

私の散歩地の大部分が山手線の東半分から台東・墨田区あたりなので、スカイツリーの姿を見ることが多い。
 もっとも600メートルを超える建築物だから、かなり遠くからでも確認できるのだろう。





















 この庭園は広くはないけれど、小さな草木から巨木まで、日本の庭造りの技法にしたがって配置されているからだろう、立ち止まって眺めるも、歩くも、小さな花を愛でるも、楽しめる。
 (だから、健康散歩とは言っても、いつものように「駅に向かって急ぐ」ような速さで歩くわけには行かない。せっかく醸された「わび、さび」に通じる雰囲気を壊してしまって、他の人の迷惑になるから。)

 スカイツリーはもうひとつ左奥の「桑の茶屋跡」から狙うと、池と2つの橋も入れることができた。


 園内を右回りの散歩を続けると、散歩道沿いだけで、10基を超える碑が立っている。

 私は短歌・俳句の世界は詳しくないので、ネコに小判だけれど、その道の趣味のある人なら、此処だけで半日は過ごせるだろう。




 たくさんの碑の中に「日本橋の石柱」(説明立札によると模造だろう、とのこと)が一本混じっている。

文字は徳川慶喜の手になるとのこと。そういえば、日本橋辺りを散歩した時に見た欄干の銘版の文字について、「徳川慶喜の揮毫による」との説明があったような気がする。






徳川慶喜の書の日本橋の銘板
(以前、日本橋散歩で撮ったもの)



 伝え聞くところによると、慶喜という人は、書も能くし(もっとも、昔の武家や僧侶には書の達人が多くいた)、写真の方も、日本で最初のアマチュアカメラマンだったかも知れない。

 

 

外周を4分の3ほど廻ったところには藤棚があり、5月頃来ればきっと紫の花と適度の蔭で、ランチ休憩に最適の場所になるだろうけれど、今日はまだ花も無く、時刻も少し早いので先に進む。

 

一周したころに「秋の七草」のエリアに着き、「梅洞水」と名付けられた井戸。

帰宅してからネットで見ると、他の人の写真を見ると、傍らの木から釣瓶(つるべ)が降りているのもある。












  観察不足・情報不足が残念なので、たまたま古色豊かな(?)水遣りの道具の写真を撮っていたので、それも載せておきます。

 

 
  夏の七草、春の七草のエリアには、(秋の七草も植えてあるのか)佐原鞠塢の「秋の七草」の立札。




「ねりの花 ごじ ゆうがお おしろい花 たまずきは ひおうぎ 書くりんどうの花」

 註で名前の説明も書いてある。「ねり」=とろろあおい、「ごじ」=ごじか、「たまずきは」=からすうり、とのこと。








  隣には「夏の七草」の歌の立札もある。花扇七草だそうだ。

「きく ききょう 蓮 おみないし しますすき また小車剪翁」

この百花園のHPによると、

「夏の七草:古来から七夕の花として飾られたのが夏の七草です。花束が扇形に仕立てられるのでまたの名を花扇(けせん)七草とも呼ばれます」

とのこと。

 あまり歌の世界を知らない私でも知っている「春の七草」の歌の立札もある。



「せり なずな ごぎょう はこべら ほとけのざ すずな すずしろ これぞ春の七草」

 そうは言っても、花壇に生えているどれが「ごぎょう」か「ほとけのざ」かは分からない。









 「セリ」は、子供の頃、春先に祖母や母が取って来て、和え物にしてくれたのを食べるのが常だったので、今でもスーパーで見かけると食指が動く。

 大外回りを一周したので、ここからは足の向くままにジグザクに歩く。

 庭園の中央辺りに、蔓花の棚が4つあり、その3つは大きな藤棚で、もうひとつは少し小さな「ミツバアケビ」の棚。
 これには緑の蔓に葉が茂り、が伸び、黒紫色の花がたくさん咲いている。10月頃には淡紫色の実が成るそうだ。


 

 先ほど見かけた「ハギのトンネル」の中を通ってみる。

 まだ竹柵だけのトンネルだが、9月下旬には30mほどの萩の花のトンネルに姿を変えるそうだ。


 今日は竹柵の間から、外の花壇に咲く花を眺めながら「トンネルを抜けると、そこは池畔の花菖蒲園、(まだ花はない)」だった。

 

 池の岸辺に沿って歩いているとベンチがあったので「おにぎりランチ」はここにする。

 

 

  今日のおにぎりは特別で、(まあ、いつも特殊・特大だけれども)、メンタイコ、カツオ節、梅干しに加えて、昨夜の焼き肉の残りも一口大に切って入れたので、300gの「ワンストップ・栄養満点おにぎり」になってしまった。(いつもは200250g)


 

 池の水面(みなも)の睡蓮や花壇に咲く草木の赤や白の花を眺め、自作ながら「なかなかの出来栄え」(とてもそうは言えないが)のおにぎりを頬張ると、浮世のストレスが半分くらい消えて行く。

 


 ランチを終えると、再び散歩。

 先ほどの一周目で見なかったところを拾いながら歩く。




 足元の和風造りの石橋を渡り、視線を上げれば4基の蔓棚、更にその上からは江戸彼岸(桜)の大木が、春とは思えない強い陽射しを遮り、癒しの影を落としてくれている。






 その先では、池に注ぐ石組みの小川から、せせらぎの音も聞こえてくる。





 

 ここでの散歩も終わり近く、売店の前を通って出口に向かうと、「多賀神社」があった。

 ただ、担当の人が一所懸命手入れをしているので、邪魔をしては申し訳ないので参拝はしない。

  向島百花園の散歩を終えたけれど、まだ運動不足で、時間も少し余裕があるので、浅草を30分ほど歩くことにする。

したがって、帰りは近くの東武の東向島駅に向かう。





 東武博物館の入り口近くには、むかし東武鉄道を走っていた電車が展示されている。








駅前の商店街通りは「東向島 粋いき通り(博物館通り)」。

 電車で3駅で終点浅草駅。

 駅からの出口が方々にあるけれど、どれが便利か分からない。





 まあ、運動散歩の途中だから、便利かどうか、距離が遠いか近いかは気にしないで、取りあえず路地に出て、人の流れに乗って進むと「伝法院通り」に着いた。
























折角だから浅草寺を参拝し、藤棚の休憩所を見ると、そこそこの人が休んでいる。
 仲見世通りを歩くと、通常のウイークデイの人出と思われる。

 若い女性の着物姿が多いのは、入学式の後か。





 

隅田川の本流の桜も見ておこう、と隅田公園に行く。

 満開を過ぎ、少し散り始めているけれど、桜を見上げながら行く人の歩みはゆったりとしている。

 




今日の歩数 15,000








 


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