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 名主の滝公園 

+ 少し王子稲荷と王子権現 2021.11




  今年の夏、とても暑い日に訪問したが、倒木のため閉園中だった「名主の滝公園」の一部が開園したとネットに載っていたので、今日はその公園に行く。

 (一部開園だと、歩き回っても2,3千歩かもしれないな)と思いながらも、ともかく行って見る。

 JR王子駅で下車すると、飛鳥山公園は目の前。

いつものように無料・無人運転のケーブルカー「アスカルゴ」を1枚撮って、滝に向かう。
 この車両は、いつ見ても可愛い。

 来訪3度目になる線路わきの駅前商店街(?)を抜けて、王子稲荷神社の下を歩いていると、この前はコロナ休園で静まり返っていた、神社下の「いなり幼稚園」から明るく元気な歓声が聞こえてくる。 

 


 さらに100mも歩くと、「名主の滝公園」の入り口に着く。

しっとりと時代を感じさせる趣のある門なので、前回来た時はここが正門だと思っていたけれど、実は、ここは「藥医門」。

ここから入っての公園の部分はまだ閉鎖中なので、門もとじられたままだ。そこからクランク状の路を50mほど行くと、クランクの角に小さな空き地があり、ベンチが2つと角隅に大きな石。

 

文字が彫ってあるので正面から、右から、左から、目を凝らして読んでみると「名主の滝ポケットパーク」。

大石の看板にミニスペースの公園だ。(時間次第では、あのベンチでおにぎりランチにしよう)と決める。

 


その先に、すぐに目指す正門が見えてくる。

 昨日ネットで調べたところでは、今回開放されたのは、この正門から滝の部分で、全体の5分の1程度だそうだ。










管理事務棟+「老人いこいの家」を左に見ながら、色づきかけたモミジが陽の光を浴びて鮮やかな赤に染める築山、枯山水の飛び石を渡り、広場に出ると目の前に谷川の趣を見せる小川。





 

川下に橋が見えるが、その辺りはまだ倒木後の整備ができていないため開放されていない。

両岸から「渓谷」に迫る樹林の緑は真夏の息吹さえ感じさせる。

 そういえば、築山のモミジは紅葉しているが、この広場のモミジも他の樹々も深緑を保っている。

 




 視線を川上に向けると、木立の間から滝が見える。






散策の人影も、あちらに一人、こちらに二人。





 考えてみると、72日から閉園になったということだが、前回私がここに来たのは810日の閉園期間中。

1ヵ月余りの違いで、全体を見る機会を逃してしまった。

まあ、庭園がなくなったわけではなく、再整備が完了すれば、また全庭開放になるだろうから、また来れば良い。

今日は雄滝を中心に歩き廻り、撮りまくることにする。

 

 滝の近くに園内回遊用のメインの橋。




さらに近づくと滝見のための木造の小さな橋。


 









足元の岩を激流(?)が洗っている。

視線を上げると、岩に当たる水の飛沫が輝いている。


遠景、近景、橋の向こう側、こちらの小径から、何枚も撮る。

















 なにせ、今日の散歩地はここだけだから、いつもより写真を沢山載せるつもりでたくさん撮る。


 他に独鈷(どっこ)の滝、湧玉(ゆうぎょく)の滝、女滝(めたき)があるけれどまだ閉鎖中なので、今日見られるのはこの雄滝(おたき)だけだ。

 ちなみに「独鈷」は、両端が尖った棒状の宗教用具。

以前、伊豆修善寺で弘法大師が独鈷で掘って見つけた温泉「独鈷の湯」というのを、見たことがある。

 滝を撮り終え、隣の茶室を見ようと思ったが、ここは使用を申し込んでから入れるので、今は無理。






竹林の奥の茶室のある建物を、檜皮葺の屋根のある枝折門の隙間から眺めるだけで我慢する。






 その手前には藤棚を屋根にした休憩所がある。




 さっきの、道路わきの「名主の滝ポケットパーク」の鄙びた景色もなかなか良かったけれど、本日のランチの場所はこの藤棚にする。

 


 目の前の築山の、紅葉混じりの樹々の枝からの木洩れ日を浴びながらのおにぎりも悪くない。

 



開放された区域をもう一周して、公園を後にする。


























 

正門の東側の坂、三平坂(さんぺいざか)を上り切って左に折れ、来た時とは別の道で、王子駅の方向へ向かう。

電柱の住所表示板は「王子本町2丁目」。

歩きながら、過去の思い出の場面を反芻する。

あの時は、左が畑、右が林の細い路を、発酵関係(ワインだったか)の打ち合わせ先へ急いでいると、右の林が突然途切れ、かなり右下に滝と、岩の間を流れる小川が現れる。

子供たちが裸で水浴びをしていて、歓声が谷間にこだまして……。

と、情景が脳裏には鮮やかに蘇るけれど、今歩く道にはその痕跡はない。あれは、この道ではなかったのか。




本道から数本裏道に入った、細い路地を進むと、途中に小さな公園があり、ここの名前も「名主の滝公園」。もしかしたら、ここも公園入口のひとつか。

遊具もいろいろあるから、地元の皆さんの公園だろう。






 その先に、今年の夏に来た王子稲荷神社の坂上に出て、稲荷の赤い幟が数本目に入る。

 3ヶ月振りにお参りして、社殿右奥の境内の道を進む。








前回は一つ目の稲荷の祠には参ったけれど、その奥までは行っていない。









 手作りのほのぼのとした花壇を過ぎ、一つ目の祠に手を合わせ、進むと朱色の鳥居の列の奥に2つ目の祠(摂社というらしい。3つの稲荷を祀ってある)、






 その左に3つ目の祠(「おもかる石」が置いてある「御石様」)、











そして、折尺のように曲がった細い階段を上ると、ここがご本尊らしい洞窟の岩屋の中に、沢山の狐の像が並んでいる。

 

 これが「狐の穴跡」、通称「お穴様」かな? 

 奥宮ということになる。

前回お参りできなかった社にも参れたので満足して、下の拝殿でお賽銭をあげて、家族の健康をお願いする。

(上の方の小さな祠では、賽銭箱がなかったので、それぞれに油揚げを1枚買える程度の賽銭を狐の前に並べて来た)

 

稲荷の西門の道(正門は下の道の幼稚園側にあるけれど、今日は開園日で子供たちが遊んでいるので通り抜けできない)を真っすぐに進んで、坂道を横切って進むと、王子権現に出る。

 

 

 ここも横の門から入ると、前回と同じ「毛塚」の祀られた「開神社」。

 正門の方に行くと金色に輝く「御神輿宮殿」、その正面奥に拝殿がどっしりと構えている。

 前にも書いたように、通りすがりの人たちが、次々と気軽に参拝して行く。

 私も参拝して、ここでも家族の健康をお願いした。

 



 西側の(南か?)小径を歩き、大イチョウの下から階段を降り、川床に水車がある音無親水公園に出る。 








岸辺の紅葉したモミジが水路を覆う様に枝を張り出し、真っ赤に輝いていた。

 




記憶の底にある滝と谷川はもっと自然なものだったような気がするけれど、名主の滝公園が全面公開された頃にまた行って、残りの3つの滝を確認したいと思いながら、今日の「散歩」はこれで終わるが、実は続きがある。

 打ち合わせの会社に行き、お茶を頂きながら、私のアルバイトの相棒役の女性Nさんと話していて、

「さっき、ここに来る前に『名主の滝公園』を歩いてきたよ」と言うと、

「あら、私はそのすぐ近くに住んで居たんですよ。公園の横に三平坂があって……」と言う。 

「その坂を上って、左に折れて来ましたよ。表示は王子本町2丁目だった」

「じゃあ、以前の私のウチの前を歩いたかも」

「ああ、遊具のある小さな、もうひとつの『名主の滝公園』もあったし、その先に小学校もあったよ」

「私、その小学校に通ったんです!」

話のついでに、なぜ私が名主の滝に惹かれたか話し、記憶違いだったようだというと、

「じゃあ、その探している公園は赤羽の『清水坂公園』かも知れませんよ。子供の遊べる谷川もあるし……、十条商店街のすぐ近くです」

と、いうことで、(時間に余裕がある時の)次の散歩の候補地は清水坂公園に決定。

懐かしい風景に出会えるかも知れない。

期待と散歩の「課題」が、またひとつ増えた。

 






今日の歩数  11,500

 







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