予報では、今日は猛暑の一日になりそうだ。
散歩は必要だけれど、熱中症になっては何にもならない。
歩く場所のアイデアも湧かないので、途中で棄権できるように、午後の打ち合わせ場所の近くにする。
桜の時季の終わりごろに行った飛鳥山公園の近くに、王子神社と王子稲荷がある。
3月の末に旧古河庭園に行こうと思っていて、緊急事態宣言下で休園のため飛鳥山に変更したが、今も新型コロナの第5波で休園中の筈なので、オープンな神社にした。
いつものように10時半ごろ家を出て、王子駅で下車すると、もう熱波が襲ってくる。
(これは2時間も歩けないかな? せいぜい1時間か……)と思いながら王子権現に向かう。

駅を出るとすぐに水路があり「音無親水公園」と言うらしい。
私が知らなかっただけで、都内では国営昭和公園、日比谷公園、上野公園、水元公園、代々木公園と並んで「日本の都市公園100選」のひとつに選ばれているそうだ。

水は殆ど流れていないが、大人が散策して休憩したり子供が遊べる遊具もあり「下町の水の有る公園」の風情を感じる。

石神井(しゃくじい)川沿いのこの散策路は「北区自然観察路・石神井川コース(武蔵野の路)」というそうだが、この暑さではとても上流までのコースは歩けない。
遊歩道を歩くこと100メートルそこそこでギブアップして、右側の王子権現への坂道を登る。
ちなみに今は王子神社で、旧称が王子権現というそうだ。
時代劇などでは「王子権現」が使われている。

登り切ると大きなイチョウの木がある。幹囲5.2メートル、高さは24メートル余り、植えられたのは14世紀の初めで、樹齢600年と推定されているそうだ。
傍らに句碑があり

「 暮際もなく
夜空にうつる さくらかな
八十三翁 大谷暁山 」
石碑の裏には「昭和五年八月十三日」とあり、当時の飛鳥山の桜花の情景を詠んだ、元王子町長大谷氏の句碑とのことです。
(草書で読めないので、神社の公式HPより引用)

少し進むと右の奥に本殿が見え、左の方に大きな鳥居が見えるから、私は神社の横道の坂から入ったらしい。

人影は少ないが、木陰のベンチで昼食を取っている人や、孫のベビーカーを押すご老体の姿もある。
本殿にお参りし、世界の平和と?家族の平穏をお願いし、振り返ると大鳥居が見える。

大鳥居の手前にガラス張りの神輿蔵があり、きらきら輝く神輿が年に一度(か、数度か?)の出番を待って居る。
(ガラス張りの蔵なので、こちらの背景がガラスに写り込んでいるけれど、とにかく立派な神輿)

散歩を続けると、境内の奥に朱色の祠が見える。
近づいてみると「関(關)神社」とあり「毛塚」と大書した石灯籠が立っている。
帰宅後ホームページで確認すると、
「全国でも珍しい「髪の祖神」。御祭神は百人一首でも有名な蝉丸公で、……中略……昭和34年に再建されました。境内には毛髪報恩のための毛塚も建立されています。」(HPから引用)
とのこと。
その髪の神社の横を抜けて、王子稲荷に向かう。

下町の裏通り(「森下通り」というらしい)をしばらく北に向かって歩くと、いなり幼稚園があり、その傍に「王子稲荷神社参道 ウイークデイはいなり坂より↑」とあるので、矢印に従って細い「いなり坂」を上る。

上り切ったところに鳥居があり、「王子稲荷大明神」の赤い幟が風にはためいている。
そう言えば稲荷神社の旗は全国的に赤いのが普通で、狛狐(稲荷だから狛犬や獅子ではなくキツネが守っている)の前掛けも赤。
なにかいわれがあるのだろうか。
ネットで見ると
「朱色が魔力・災厄を防ぐ色と考えられていた。神様のお力を高める役割がある。木の防腐剤に赤い色素が含まれている」
などと書いてある。また、ひとつ利口になった!

本殿はこじんまりとしているが、造りは丁寧で、立派な神社だ。
旧本殿は空襲で焼け、昭和35年に再建されたそうだ。
ここでも無病息災をお願いして、境内を巡る。

本殿の右に小さな鳥居がある。

5,6段の石段を上ると拝殿がある。あとで調べたところではこれが「本宮社」らしい。

この本宮社の境内の端に、手造りの小さな花壇が作られ、季節の花が咲いているのが微笑ましい。
さっきは下の正門参道から入れなかったので、逆に本殿前の階段(本道が通行止めなので側道の階段)を降りてみる。
降り口の左に柵に守られた石が鎮座しているが、何かわからない。
下に降りると左側にさっきの「いなり幼稚園」、右の向かい側は保育園かな? 遊具が見える。
階段下では、左右に狛狐が守り、その右(その保育園の前)にも小さな鳥居がある。
「市杵島神社」というらしい。
池と太鼓橋もあり、小さいながらもひとつの完成した神社の姿をしている。
再び上の境内に戻り、「いなり坂」を下って、「名主の滝公園」を目指す。
ついでに、先ほどは通れなかった王子稲荷の正門の写真も1枚。
森下通り商店街の道を北へ数分進む。
しかし、悲しいかな、期待した「名主の滝公園」は倒木のためしばらく休園となっている。
ここは、初めから予定コースに入っていたわけではなく、王子権現と王子稲荷を地図で調べていて(ランチはこの公園にしよう)と決めたものだった。
いつか倒木の処理が終わり、また、私が立ち寄る時間ができたら、是非来てみたい。
再び路地裏通り(と言ったら森下通り商店街の人たちに叱られるかもしれないが)を駅の方に戻り、あの飛鳥山に登ることにする。
ほんの数十メートルだから、前のように山道を歩けば登れるが、本日は真夏日につき、運動散歩とは言いながらもケーブルカーの助けを借りることにする。
6人も乗ると満員になりそうな「アスカルゴ」乗り場で母子連れとともに4人、小さなカタツムリ?に乗り込むと、涼しい風が流れ、生き返るようだ。
車内アナウンスは、前に書いたかも知れないが「さくら」の声。
倍賞千恵子さんが北区の観光大使をしているので、飛鳥山のケーブルカーの車内観光案内のナレーションを引き受けている。
水元公園の帰り道に、柴又駅で降りて、駅前の「フーテンの寅」の銅像と、「おにいちゃんを見送る『さくら』」の銅像を撮ったのは、ほんの数ヶ月前のことだ。

飛鳥山の頂上(⇒ケーブルカーが着いた所が最高地点で「頂上」)に到着。
アスカルゴの3分の冷房お蔭で少し生き返り、足が前に出るようになった。
一度来たところは、もう自分の庭のようなもので、瞼に地図が浮かぶが、とにかく今日は暑い!
北半分を歩いたところでやめた。
流石に園内を散歩する人も、キッズコーナーのジャングルジムの子供の姿も、前回の桜の終わりごろの100分の1も居ない。
木陰のベンチに座りおにぎりランチ。
ペットボトルの麦茶を飲むと、それがそのまま汗になったように、背筋をスーッと流れ落ちる。
本日の散歩はここまで!
夕方のニュースで、今日の最高気温は、八王子39℃、都内38.9℃とか言っていた。
今日の歩数は15,600歩
ホームページのトップへ

|