今日は台風12号も房総半島をかすめて通り過ぎる予定なので、天気も思わしくないが、1週間振りの外出なので、運動不足解消のための散歩は実行したい。
空模様の移り変わりを見定めるため、少し遅めに家を出た。電車の中でどこを歩くか考えた。両国の刀剣博物館も見たいが、歩数には少し不足だ。
結局、両国駅の南側を歩くことにした。

回向院の前を通って、一の橋通りを過ぎ、両国橋に向かう。

東橋詰(橋の東のたもと)に小さな広場「両国橋児童遊園」があり、赤穂浪士が本懐を遂げた後に、四十七士の一人、大高源吾が詠んだ句「日の恩(おん)や たちまち砕(くだ)く 厚氷(あつごおり)」というのもある。
説明文によると「太陽のお蔭で、積年の厚く張った氷が、たちまち融けました。我々赤穂の浪士一同、お蔭さまで本懐をとげて、積年の恨みを、すっかり晴らすことができました」だそうだ。
両国橋の地球儀形の擬宝珠を1枚撮る。
また、並んで大山巌の揮毫による「表忠碑」(日露戦争に出征して亡くなった人を奉っている碑)も建てられている。
明暦の大火の後、火除け地(延焼防止地)として作られたという両国橋のたもとの広場跡(両国広小路)がわからないままに、南下して堅川(たてかわ)に出る。
調べたところ「両国広小路」は両国橋の西詰にあるとのこと。
そう言われてみれば、大火で多くの犠牲者が出たのは江戸の街であり、火除け地は江戸側(橋の西詰め)にあるのが当然で、隅田川の両国橋の対岸は「川向こう」の下総の国で、火除け地としての広小路は必要なかったのだろう、と自分を納得させる。
その時は、そう思っていたけれど、実は東詰めにもちゃんと「両国広小路」はあった。
私の散歩記にはこんな勘違いを平気で度々書いている。反省。
さて、今日散歩の堅川には一之橋から始まる橋がいくつか架かり、時代劇の小説に頻繁に登場する。
赤穂浪士が討ち入り後、泉岳寺に向かう途中で最初に渡った橋だ、と傍らの説明板に書いてある。
今は上を首都高速道路が走り、下の一般道は車が次々と通り過ぎる道路とビルの林だけれども、昔はきっと細い流れの緩やかな運河だったと思われる。
小説を読んでいて、なかなかイメージが湧かなかったけれど、実際に見て、なんとなく納得した。
少し両国駅側に戻り、路地をうろうろと歩く。
途中に相撲の時津部屋があるのを横目に(他にもたくさん相撲部屋がある)歩いて行くと、両国公園に着く。
こじんまりした公園だが、静かで(コロナの影響か?)、人影もまばらで、ここなら「おにぎりランチ」が食べられるかな、と思う。

空いたベンチでランチ!
ベンチのすぐ横には勝海舟の碑があり、彼の活躍の歴史を伝える説明パネルも掲示されている。
海舟は江戸の下町で育ったということで、映画やドラマでは歯切れよく話すちゃきちゃきの江戸っ子で描かれることが多い。正式の会見の場ではともかく、身内と話すときはそうだったのだろうな、と思う。
こちらは岡山弁と、いつの間にか話すようになった東京言葉と標準語がちゃんぽんになった会話が多い。田舎に帰ると、抵抗なく方言が出てくるし、その方が久し振りに会う家族や友人とは細かなニュアンスが通じる。
おにぎりを食べていると目の前のハトの数がどんどん増える。
いつしかヒチコックの映画の様な鳥の大群に襲われるのではないか、と不安になるが、そういうこともなくランチタイムは終了した。
公園を一周すると、遊具があるコーナーがあった。
半年前の新橋の桜田公園の時と違って、(コロナ対策のための)使用禁止のテープはなかった。
子供の姿はなく、近くの両国小学校から子供たちの声が風に運ばれてきた。
おにぎりランチを済ませ、また、路地を数分歩いて吉良屋敷跡に着いた。
途中に、海抜ゼロメートルを知らせる表示があった。
吉良屋敷跡の敷地には、上野介の人形が裃を着て鎮座している。
赤穂浪士の物語は、弱いもの贔屓(ひいき)、判官贔屓の日本人の喝采を浴びたが、上野介も実は堅実な政治家として、その地元では今も崇拝されているとのこと。
まあ、そうでしょう。この世には、根っからの悪人もそうそう居なければ、根っからの善人もそうは居ないのだから。
敷地の隅には稲荷もある。
また、てくてく歩いて、両国小学校の角の路地の交差点に行く。
ここには、芥川龍之介の碑がある。
特に文学散歩をしているわけではないけれど、おにぎりランチ散歩の途中には、文士の碑が多い。
この界隈には墨田区や区の教育委員会、そして地元のみなさんが立てた説明版が多そうなので、またゆっくり歩いてみたいと思う。
今日はこのくらいで、帰宅する。
回向院の交差点で京葉道路を横切って、両国駅へ。
両国駅の構内には、ステーションギャラリーがあり、この線を走った機関車、電車、周辺の歴史を伝えている。
自由に弾いてよいピアノも置いてある。
今日は、コロナのため閉鎖中。(前回少し見た。)
本日の歩数は、11,000歩。
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