今日の散歩先は新宿御苑。今年の春先だったか、一度行ったら月曜日の休苑日だったところだ。
10時半頃新検見川で電車に乗ると、いつものように1車両に5,6人の乗客で、どこにでも座れる。晴れているから窓も開けてある。少し寒いけれどコロナ対策としては新鮮な空気を流すのは必要だ。 千駄ヶ谷まで1時間丁度。南側に降りると、目の前に新国立競技場の屋根が見える。
なにかとおもったら、「大学生の縄跳び大会」があるから、希望者は誰でも参加申請できるとのことだった。(そりゃそうでしょ。国立競技場は広いから、縄跳び大会なら人数制限はない。) イキがっている年代の私達は「縄跳びかっ?!」と馬鹿にして参加しなかったけれど、今思うと「(旧)国立競技場でスポーツに参加」出来る最初で最後の機会だった! 線路の下をくぐって少し歩くと御苑の市ヶ谷門に着く。
歩道の脇にはベンチがちらほら置いてあり、ランチ場所の心配はなさそうだ。
カエデというのは手の平のように広がっているものと思っていたが…… ![]() この庭園は敷地の中に林があるのではなく、林の中に 公園を作っていったように感じる。都心で 森林浴ができるとは思わなかった。もっとも地表はきれいに整備され、すぐ塀の外には四角いビルが林立しているけれど……。 ![]() 昔は武蔵野台で、そもそも新宿(内藤家の所有地内の地名なので内藤新宿とよばれていたらしいが)の辺りも江戸時代は林や野原だったからな、と自分を納得させる。
先日見た神宮外苑のイチョウ並木とはまた異なった秋の深まりと言うか、荒涼たる冬の訪れを感じる。
北側のプラタナス並木に行き、ゆっくりと散歩する。あまり運動になっていないが、膝の状態に合わせ、無理はしない。 日当たりが良いので、休憩には絶好地だ。 わたしも持参の、ほんのりと温かみの残るおにぎりランチを広げ、麦茶を飲んで一休み。
この御苑は、今まで歩いた庭園と違って築山で山水を表現したものではなく、スペースがゆったりとあるので、気持ちが休まる。
池の畔には、水仙(「ペーパーホワイト」という種類だそうだ)が咲く準備中。 芝生の中の少し小高いレストハウスに立ち寄ると、かなりの人数の(大部分が)高齢者のみなさんが、椅子に掛けて池や散歩の人たちを眺めている。 (そうです。今年は特に新型コロナのせいで、外出できない状況が続いているから、天気の良い日は公園に出かけて、1日5,000歩は歩きましょう!)と心の中で声援を送ったけれど、よく考えたら、私自身が「高齢者」で、「運動不足解消のために」ここにきているのだった! 池に向かって枝を張っているモミジの葉を見ると、細く繊細な形をしている。もしかしたら、昔、田舎の実家の庭の端に植えてあったものと同じではないかと思い、名札を見ると「タムケヤマ」とある(ヤマモミジ系の「紅枝垂れ」の種らしい)。記憶して置こう。田舎のものはもっと細くて網の目状だったような気もするけれど。。。
その先の「上の池」方向に向かう。
「築山」は日本庭園の代表的な造りだけど、その中の「枯山水」は水無しで、砂や苔、岩石や土地の傾斜などを利用して、水が無くても、水があるかのように自然を造るもので(だから庭を歩かず、境内や縁側などから風情を楽しむ。龍安寺石庭など)、後楽園など今年いくつか見て来た「回遊式庭園」は池などの「水」のある庭園、だそうだ。(ネット情報からの受け売り) と言うことで、御苑の日本庭園の部分を歩く。ちなみに、プラタナス並木やバラ園のあったところは「整形式庭園」(ヨーロッパの庭園でよく見かけた)と書いてある。
ちなみに、「雪吊り」は大きめの木を守るためのもの。他に「雪囲い」というのもあって、これはさつきや椿など比較的低い木(家庭のバラなども)を雪から守るために、竹を三角錐形などに立てて、場合により、その上からムシロ(筵)やシートで被う方法だそうだ。 そうそう、昔、小学校の運動会の時には、今の様なビニールシートや簡易テントではなく、朝、一家に一枚のムシロ(筵)を持参して、土の校庭に敷いて、仕事の手の空いた家族が子供や孫の応援に駆け付けたものだった。 お昼ご飯は、前の夜、祖母や母が作った、昆布や椎茸の煮しめ、桜デンブやかんぴょう、いろいろな野菜などを巻いた太巻き寿司、お茶は定番の番茶。 そこにいる家族(おそらく爺、婆、母親、子供)でにぎやかに昼ごはんを食べて、また、午後の演技になるのが普通だった。 その後、平和で、豊かな生活が身近になるに従って、当時は考えもしなかったような問題が起きてくるようになり、「生活は豊か、心は貧困」になったのは、皮肉なものだ。 (うちは、ずっと生活が豊かでないから、こころは貧しくなっていない?)
千駄ヶ谷→渋谷川→新宿御苑の「上、中、下の池」。(湧水もある)がひとつの流れ。 ふと気が付くと、いつの間にか、13時を軽く過ぎている。 着いたのが11時半、1時間半余りここで過ごしたことになる。 この前テレビで言っていた「駅へ急ぐ速さで15分歩くと、運動不足の解消の役に立つ」というのを思い出しながら新宿門の方向へ急ぐ。
副都心線の新宿3丁目から打合せ場所に着いたのは丁度14時。いつも、こんな感じだ。はじめゆるゆる、中はのんびり、最後はパッパッ。
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