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   江戸川公園 2021.02





今日は寒い。

「三寒四温」の「寒」の日だ。風も強いから体感温度は実際より低いだろう。
 今年は立春(23日)の翌日に「春一番」が吹き、記録上最速の日だったらしい。今日は9日で、普通ならまだ春一番の前の方の日だ。

 おにぎりランチは「江戸川公園」に決めた。

JR飯田橋で降りた。いつもと景色が違う!

電車の比較的前の方に乘っていたので、市ヶ谷の側で降りたら、目の前に上りの階段がある。(えっ!)と思ってもう一度確認しても、階段がある。

(確か、西口改札から入ると、そのままホームへの長い緩やかな下りの通路があって、どこにも段差や階段は無かったはずだけど……)と思ったが、西口まで行って確認する時間もないので、東口に向かうと、その先のホームの左右には事故防止の金網が張ってあり、その先に東口改札への下り階段があった。
  ここから先はいつもの景色。

きっと、しばらく西口を利用しない間にオリンピック向けに、駅構内の改装が進んでいたのだろう。

そういえば御茶ノ水駅も、ずいぶん改装が進み、階段や改札の位置が変わってきていた。(お茶の水駅は、今も改装の継続中で、神田川の中に工事の足場の架設があり、クレーンなども動いている)



 今度、いつか飯田橋駅の西口を確認しようと思いながら、地下鉄の有楽町線に乘って一駅、江戸川橋駅に着く。


1a」の出口から地上に出ると目の前の神田川に江戸川橋が架かっている。








 あまり調べないことにしているけれど、疑問が湧けば調べない訳に行かない。

そう、「神田川」のはずなのに、なぜ「江戸川橋」なのか?

ここは、Wikipediaに頼ることにする:

江戸川橋の「江戸川」は、利根川水系の江戸川フーテンの寅さんが川堤を歩き、東京都と千葉県の間をのどかに結ぶ「矢切の渡し」のある、あの川=私の勝手な註)のことではなく、駅付近を流れる神田川中流部分(おおむね大滝橋付近から船河原橋までの約2.1キロメートルの区間)のかつての名称である。
 同時にこの沿岸付近を指す地域名でもあり、かつて江戸川橋は
の名所として知られていた。創架年代不詳の江戸川橋は、この神田川中流区間で最初に設けられた橋梁といわれている。
 河川の名称としての江戸川は19708月をもって神田川に変更(上流区間・下流区間の名称に統一)され、消滅した。

と書いてあり、納得。

 

視線を川に戻すと、細い神田川の水面に向かって数百本(かな?)のソメイヨシノの枝が伸びている。1ヵ月余りもして3月には素晴らしい桜並木が出現するのだろう。

 

 橋の北側には「江戸川公園」の大きな碑が建ててある。

 

 いつものように「初めとろとろ……」で散歩を開始する。


 少し行くと、右手の木に花がぽつぽつ咲いている。蕾も膨らみ開花を待つばかり。

じっと見ていると、通りがかりの散歩途中の人が、


「河津桜(カワヅザクラ)ですよ」と教えてくれた。
「えっ、もう、ですか? さすがに早いですね」

  
 お礼を言って、写真を1枚。その傍には素晴らしい蘇鉄(ソテツ)も茂っている。






先(西)に向かって歩を進めると「墨田川まで6キロ、みなもとまで18.6キロ」の小さな碑。「みなもと」とは水源地の井之頭公園の池だろうと思う。




 

 そのすぐ先には、一休橋と、その名の由来の説明
碑。

 明治の初めまで、この辺りに関口橋があったが「一休名残蕎麦」という名物があったので、それにちなんで一休橋という名前をつけた、とのこと。


そのまた先には、とんがり屋根の時計台のある休憩所。

この公園には川辺にも、右手の山側(ホントは建物側)にもベンチがたくさんあり、ランチの場所の心配はなさそうだ。 

とんがり帽子の休憩所の裏に階段があるので、足の強化のために登ってみる。


かなり長いルートで、

途中には「展望台」風なスポットもあり、その先を少し上って、下りに入ると、つづら折れの鉄骨階段になり、それを下ると丸いものがある。



 
 その下の公園に続くのかと思って降りて見ると、下の公園の「滑り台」の頂上のおやすみ場所だ。

梯子もあるけれど通勤着で子供連れでもないのに梯子はかっこうがつかないから、脇のつづら折れ階段を公園まで下りる。





 公園には、その滑り台のほかにも遊具がいくつかあり、母子連れの幼児たちが歓声を上げて遊んでいる。





広場の端にいくつかあるベンチでは、高齢の夫婦たちが、のんびりと日向ぼっこ。

そう、ここは大きな有名な公園ではなく、近くのみなさんが、いつでも来て、ひと時をすごせる公園。

神田川沿いの細長く小さな1キロほどの公園だが、こころが休まる庶民の公園だ。

とは言っても、ちゃんといくつか遺跡などもある。

説明版によると、いままでの散歩でも何度か出て来た「神田上水」の分岐点だった大洗堰は、ここだったようだし、関口芭蕉庵の跡も公園の少し先の椿山荘(ホテル・結婚式場)の川べりにある。

 

児童公園?のベンチでおにぎりランチを食べ、頭上に枝を伸ばしている紅梅白梅を何枚か撮る。














実は芭蕉庵は、地図では見ていたが、まだ行っていなかったので、公園の西の端を抜けて、椿山荘の下の道を少し行くと、関口芭蕉庵の入り口があった。

芭蕉がここで堰の番人?を頼まれて住んでいたところだとか。

再度ネットのWikipediaにお願いすると、

「松尾芭蕉が二度目に江戸に入った後に請け負った神田上水の改修工事の際に1677年延宝5年)から1680延宝8年)までの4年間、当地付近にあった「竜隠庵」と呼ばれた水番屋に住んだといわれているのが関口芭蕉庵の始まりである。後の1726享保11年)の芭蕉の33回忌にあたる年に、「芭蕉堂」と呼ばれた松尾芭蕉やその弟子らの像などを祀った建物が敷地に作られた」

とある。

敷地の中には入れなかった。(後でネットで見ると「なお普段は正門は閉ざされているので、出入りは横の通用口からとなっている。」とある。失敗!

まあ、通勤ルートから近いから、また改めて来てみよう。


 

 さっき、上の道(つづら折れの階段ルート)を通って、立ち寄らなかった「堰の石」のところで一枚。その横には藤棚の休憩所がある。4月か5月頃にまた来てみたい。


話はがらっと変わるけれど(いつものこと)、都内出張?の時には、電車の中で本を読んでいる。昔はビジネス関連の本だったけれど、今は気楽に時代物の小説を読むことが多い。

今日の車中読書は「銭形平次捕物控」で作者は野村胡堂。

そう、神田明神で出版社の碑を見つけたり、境内の石段の上から明神下を見下ろして「そうか、200年ほど前の江戸時代には、この下の町に平次がいたのか」と想像したり(もちろん、架空の登場人物だが)したが、小説は読んだことがなかった。映画かテレビドラマで1、2回見たことはある。

 で、今日、文庫本で平次の捕物控を読んでいたら、その「御落胤殺し」の中に、

 「お前さんは親切そうだから、……」
  お徳は派手な品を作りながら、もうすっかり
 ガラッ八(平次の手下)を 「お前仕掛け
 (チュトワイエとルビが振ってある)」で呼ん
 でおります。

という一節があった。

 
 学生時代にサボりながらも学んだのだけれど、
「チュトワイエtutoyer」というのはフランス語の(丁寧な「わたし、あなた」ではなく)「きみ、ぼく」と言うときの話し言葉で、まあ、日本でいう「タメぐち」の時に近いか、ちょっと違うか……。

 

時代物の小説の中にフランス語のルビが振ってあったので、ちょっと興味が湧いて、ネットの胡堂の略歴を「こまった時のWikipedia」で調べてみた。

野村胡堂は1882年生まれ、1963年没の、岩手県の出身の作家で、音楽評論家(筆名は「あらえびす」)でもある。盛岡中学校の同窓に金田一京助、石川啄木がいた(後輩の啄木に俳句・短歌の手ほどきをした)。

東大の法科に入学し、学費が続かず退学し、報知新聞に入社し政治部に所属し、社会部長、調査部長、学芸部長、編集局相談役などを歴任したそうだ。

優秀な記者から編集のトップまで行ったえらい人だった。(もっと詳しくはネットを参照のこと)

おそらく大学の第二外国語でフランス語を勉強していたので、「おまえ、あんた」の呼び方に「チュトワイエ」のルビをつけたのだろう。
 洒落っ気とユーモアのある人だったようだ。


  ついでに、もう少し小説から引用して書いて置くと、

「間髪容れぬ投げ銭が、平次の手から流星の如く飛びました。永楽銭や文銭では埒があかぬと見たか、取って置きの小判が一枚、二枚、夜の水の上に閃きます」

 という節もあり、小説の中で平次が「通常」投げたのは永楽銭や一文銭だったらしいことがわかる。


 なお、その銭形平次は実在の人間か、と訊かれた時の胡堂の回答は「在りと信ずる人には実在し、無いと観ずる人には架空の人物……」だそうだ。

(ネット、出版社や胡堂さんの承諾なしの引用が多くなって、ゴメン! 出典は上記の通りです)

 


駅への道を急ぎながら岸を眺めると、また、昔、神田上水が二筋に分かれた辺りに「大滝橋」がある。









  その傍の、神田川の説明板には、この川に生息する魚の絵があり、コイ、ヘラブナはわかるけど、昔、田舎にいた頃小川で釣ったギンブナやモツゴまでいると知って少し驚いた。
 まあ、「金魚」はご愛敬というか、御愛想というか……。
(この説明版も著作権は東京都にありますが、そのままお借りしました。すみません)

 





















本日の歩数 12,000歩









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